川天狗

東京都奥多摩、神奈川県津久井郡、山梨県南都留郡道志川、埼玉県秩父でいう妖怪。
東京都西多摩郡小河内村(奥多摩町)の多摩川に大畑淵という大きな淵があり、昔、そこに「川天狗」が棲んでいていて、いつも寂しそうにしょんぼりと岩に座っていたという。悪さはせずに、熱病の薬として、ミミズを煎じて飲むことなどを村人に教えてくれたという。
神奈川県津久井郡では、夜の川にいきなり転がってくる巨大火の玉を「川天狗」のしわざとした。また人が投網を投げる音だけをたてるともいう。
埼玉県秩父市や山梨県南都留郡の道志川でも同じようなことが語られ、道志川のクソマタ淵で釣りをしていた子供は、黒い坊主姿の川天狗に「子供っ子供っ」と呼ばれたという。
「天狗」の仲間でも、水辺に棲みついているものを「川天狗」というのであろう。
スポンサーサイト